メトロは、2つのテーマの研究開発を行っています。
量子物性物理、量子化学、分子動力学、第一原理計算、超伝導
現在の第一原理計算の標準的基礎は、密度汎関数理論に基づく局所密度近似です。
しかしながら、値の大きな短距離力が適切に考慮されていないという課題があります。
本手法は、密度汎関数理論(DFT)における相互作用のない参照系の代わりに、短距離力が働いている参照系を考慮したメトロ独自の計算手法です。「電子相関が強いため、密度汎関数理論(DFT)では物質の特性などに対する精度の高い予測が難しい」という課題の解決に有効です。
短距離力は誘電率よりも帯磁率において重要になるため、密度汎関数理論における帯磁率と参照系でのそれが一致するように短距離力の大きさが決定されます。こうして得られた短距離力が働いている参照系のハミルトニアンに対して、電子相関を考慮した一体のGreen関数と二体のGreen関数を計算します。
shifted-COCG法を用いることで並列性能を向上させ、分極効果を取り入れることで計算精度を向上させた密度汎関数法(DFT)の近似手法の改良を行っています。
本ソフトウェアは、新素材の詳細な解析や予測など精度の高い第一原理計算を行う必要がある場合に有効な手段となります。また、新薬開発などマルチスケールシミュレーションを行う場においては、計算速度や計算精度を任意に組み合わせることで、計算機リソースに応じた計算規模・計算精度で実行できる機能も備えています。
独自の計算手法を用いることで、従来のソフトウェアでは十分な精度が出ない物質・物理量の計算も行える
速度と精度のバランスの良い計算手法を用いることで、研究開発のスピードアップに繋がる
上記2種類の計算手法を任意に組み合わせることができ、計算機リソースに応じた計算規模で実行できる
物質の安定構造の計算 | ○ | 電流誘起力計算 | ○ |
---|---|---|---|
バンド構造計算 | ○ | 熱伝導度計算 | ○ |
光電子スペクトル計算 | ○ | 遷移状態構造探索 | ○ |
量子分子動力学計算 | ○ | 動的誘電率・磁化率計算 | ● |
フォノン分散 | ○ | 信頼性の高いバンド構造計算 | ● |
電気伝導度の計算 | ○ | 超電導転移温度の計算 | ● |
電流の可視化 | ○ |
●:新たな第一原理計算手法(3つのゆらぎを使った汎関数積分法)で対応できるようになるもの
○:密度汎関数理論(DFT)の改良で対応できるもの
シミュレーションで高精度に計算することによって、薬剤開発・実験の時間を短縮する必要がある。
熱電変換素子の材料となりうる物質のシミュレーション精度が悪い。鉄の強磁性結晶構造の計算や多核金属錯体の電子状態計算など。
酸化物高温超伝導体などの強相関電子系は、その特性を正しく検証することができない。
大規模・高精度なマルチスケール計算が必要。
高精度で計算するためには大規模系の計算を行う必要があるが、時間がかかる。現実的な時間では、十分な精度が出せない。
本研究開発(ソフトウェア)のトライアルのお申込みも受け付けています。
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